Wliderness First Aid おおいた 初開催の資格取得講習会!

12月1日から1泊2日で私がこの夏立ち上げた「Wilderness First Aidおおいた」の初事業として九重高原で北米の団体「Wilderness Medical Associates」より日本人インストラクターを招聘してもっとも基礎的な2日間コースを開催いたしました。

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創傷の洗浄

この野外・災害救急法はもともと、救急車も来なければ医師・看護師の手助けも望めない完全な野外環境下(Wilderness、病院等の施設まで搬送するのに2時間以上かかる)において傷病者の救助を行うために北アメリカで発達してきた技術です。しかし、一般的な野外環境下だけではなく、たとえば3・11(東日本大震災)のような大災害の時にも普通の救急システムは簡単に崩壊してしまい、かなりハードな野外環境と同等またはそれ以下の条件になりえます。そこで従来この知識・技術を必要としたアウトドア愛好家(登山者やカヌーイスト・キャニオニングを楽しむ人など)だけでなく、普段アウトドアに親しんでいない一般の方々にもこの内容を知ってもらいできれば受講していただき、自分の命をそして自分が愛する人々の命を救う一助となっていただければこんな素晴らしいことはないと考えました。

なお、当資格はあくまで北アメリカ(カナダ・アメリカ)の法律に基づいた資格であり、この内容を実践するときには、たとえ野外環境下においても日本の法律を順守し行う必要があります。そこのところをお間違えなく。
 また、中途半端な知識でこの技術を真似することは傷病者の身をさらなる危険にさらすのはもちろんのこと、自分自身にも大きな災いがふりかかる可能性も否定できません。実践に当たっては公認のコースを受講し、資格を取得をしてから行うようにお願いいたします。

朝集合時、涌蓋山に月が沈んでいく姿がとても美しかった。
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まずは机上講習が始まります。人体が生命を維持するために必要なものは何か?
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当然、野外救急法ですからすぐに外に出ます。
倒れてる人を発見!まずは何をしますか?
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ほとんどの皆さんが何らかの形でCPR(心肺蘇生法)のトレーニングを受けたことがあります。でも、理想と現実の狭間に戸惑います。傷病者は常に堅い地面の上にあおむけで倒れているとは限らないのですから。むしろそんな理想状態で倒れてる方が珍しいでしょうね。
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上腕の(おそらく)動脈から出血しています。止血しなきゃ!
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今度は室内にて理想的な状態でまずトレーニング。全身のチェックをします。どこかおかしいところはないかな?
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内出血のメイク。さあ?これを見つけられるか?
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目の前の人はなぜ倒れているのか?それがわかればおのずと答えは見えてきます。何も話してくれなくてもサインはそこらじゅうに転がっています。
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夜になっても当然講義は続きます。
理想的な状況で不安定な長骨の固定。また、関節の固定。資材は野外環境下にあるもので。
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脊椎損傷の恐れがある傷病者をみんなで共同で運びます。
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初日はしっかり10時過ぎまで。その後も自習やディスカッションは続きました。

翌朝まずは何が起こったのでしょう?傷病者の出すサインを見逃すな!
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手首を押さえてうずくまってる。手首を怪我したのでしょう。でもほんとにそれだけ?傷病者自身が気づいてないもっと重大なケガ等があるかも?
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重度の低体温症に陥ったと思われる傷病者発見!ハイポラップで保温に努めます。
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つらい講義と実習の合間の喜び、ランチタイム♪
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頭にアザを付けます。
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倒れて気を失ってる!何が起こったのでしょう?
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意識なく震えてる要救助者。
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すべての講義・実習が終われば楽しいテストの時間w
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そして、合格発表。
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全員無事合格!最高の笑顔でした。
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合格された皆さんはこれで野外環境下における救急の門をくぐりました!講習内でも何度か聞かれましたが理解すればするほどさらなる疑問があとからあとから湧いてきます。答えはさらに上のコース(WAFA、WFR、WALS)にあります!たとえそこまでは受講しないにしてもこの門を開けることが重要です。極限の状態では人が人を助けることは不可能かもしれない。それでも知っていてベストを尽くすのと知らずにおろおろするだけとは天と地ほどの違いがあります。日本は地震の多発する災害列島です。登山を愛するすべての人はもちろん、愛する人を守りたい全ての人に。答えはここにあります!

WFAおおいた主催の次回野外救急法資格取得コースは2013年11月開催予定です。申し込み受け付けは6月末ごろからの予定です。

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