滑落…救出…そして無事生還!

 テレビでの報道やインターネットなどでご存じの方もいらっしゃるでしょうが、私と同じ山岳会に所属し長年の友人でもある西川良子が、昨日北アルプス西穂高岳の稜線で滑落しました。
 そして報道にもあるとおり無事生還いたしました。ご心配いただいた皆様、お気遣いありがとうございます。私はまだ本人と話してはおりませんがかなり元気な様子だそうです。重傷には違いありませんが…。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/208617
http://www.sanyo.oni.co.jp/l/news/2008/12/29/20081229010000101.html
http://urutora7.blog55.fc2.com/blog-entry-49.html
http://blogs.yahoo.co.jp/sdwkj355/47744963.html
 昨日、第一報を受けてから私はすぐさま現場に駆け付けるつもりで、冬山装備と救助ギアを車に積み込み山岳会の事務所へと向かいました。ある程度の人数が集まったところで状況を聞けば、そんなに深刻ではない模様…。もちろん西川は現場で一人夜を過ごすわけで予断は許しませんがひとまず安心。地上部隊として現場に向かうのは若手4名(私も十分若手ですが…)に任せて事務所で連絡役を引き受けました。寒い事務所で眠れぬ夜を過ごし、今朝夜明けと同時にヘリ出発の報を聞き、ほどなくして無事ピックアップの知らせを受けた時には心底ほっとしました。
 事故の原因等については今後報告書の作成等で明らかにされていくことでしょう。本人も生きていることだし…。死んだ人間を捕まえて、「あの判断がいけなかった」とか「引き返すべきだった」というのは私は好きではありません。それを言っていいのは現場で同行していた人だけだと思います。その時その時の事情は本人およびそのそばにいた人しか測り知ることはできないのですから…。ましてや本人の名誉の問題もありますし…。
 今はとにかくわたしが原因どうこうを言える立場にありません。一言言えることは「西川、よくがんばった!」ということだけです。
 明日から私は仕事で白馬方面に入ります。遭難などとは考えもしないようなお気楽コースですがそれでも我々ガイドというものは常に万一を考えて行動しなければならないものです。肝に銘じていきたいと思います。(ちなみに、西川はガイドではありませんので…。)
注意:私のブログ記事はいつも匿名ないしイニシャルで書かせていただくのですが、今回大々的に報道されていることもあり実名で書かせていただきました。
パタゴニア

滑落…救出…そして無事生還!」への1件のフィードバック

  1.  報道で滑落・遭難の情報を聞くにつけ心が痛みます。
    大自然のなかで人は無力で、生かされている存在なのだと思うです。

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