槍ヶ岳から西穂高岳

 当事務所主催の公募登山「槍ヶ岳から西穂高岳」を無事縦走してきました。
 21日上高地から出発して小雨降りしきる中、槍沢に向かいます。槍沢までのんびり散歩しながら5時間ほど。明日からの縦走に備えて早々に就寝。
 翌22日、天候はいまいちですが雨は降っていない中出発。
ミヤマトリカブト
ミヤマトリカブト
シナノキンバイ
シナノキンバイ
ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
 そうこうするうちに天候が一変。一気に晴れてきました。
グリーンバンドより
グリーンバンドより
 目指す槍ヶ岳ももう一息。
槍ヶ岳近景
 苦しい登りでしたがなんとか槍ヶ岳山荘までたどり着きました。常念岳がきれいに見えます。
常念岳遠望
 ここに荷物をデポして槍が岳頂上を目指します。とちゅうでは小槍が見えます。
小槍
 登る途中でパチリ!
槍への登り途中
 こうしてたどり着いた槍ヶ岳山頂では360度の展望が出迎えてくれました。明日からたどる稜線が遠く見えています。
槍穂縦走路
 反対の薬師岳方面
薬師岳方面
 ここはスタート地点であってゴールではありません。とりあえず先ず目指すは大喰岳。
大喰岳
 岩間にクモマグサが咲いていました。
クモマグサ
大喰岳より槍が岳を振り返って
槍ヶ岳肩の小屋
 中岳まで来ると前方の穂高連峰が目の前に迫ってきます。
穂高連峰
 本日最後のピーク南岳まで来て振り返ると中岳が端正な姿を見せています。
中岳
 こうして南岳小屋までたどり着き疲れた体を休めるのでした。
 翌23日はいよいよ大キレットの通過です。
まずは朝焼けの常念岳から。
南岳の日の出
 ゆっくりと準備をして大キレットに向かいます。
大キレットへ
 後ろ向きになって一歩一歩下降していきます。
下降の模様
下降の模様2
 正面にはこれから向かう長谷川ピークの向こうに北穂高岳。
北穂と大キレット
 危険個所ではガイドしながらの写真は難しいので勘弁していただいて…。次はいきなり長谷川ピークからの下降です。
長谷川ピークの下降
振り返ると南岳と獅子岩が大きい!
南岳
飛騨泣きのナイフリッジの通過
ナイフリッジの通過
 最後は北穂高岳への急な登山道を喘ぎながら登って到着。

 北穂高小屋でゆっくりと大休止した後、涸沢岳に向かいます。
正直言って、北穂涸沢間の縦走は落石の頻度からいって、大キレットやジャンダルム越えよりも気を使います。
 北穂南峰より奥穂と前穂
奥穂と前穂
 こんな風に下降していきます。
北穂からの下降
 途中から明日目指すところがよく見えました。
ジャンダルムとロバの耳
ジャンダルムとロバの耳
西穂高岳
西穂高岳
 そのあとは何ということもなく無事に穂高岳山荘に到着。夕焼けがきれいでした。
白出のコルでの夕焼け
 
 そして、いよいよ最難関奥穂西穂間の岩稜の通過です。
ヘッドランプで小屋を出発し奥穂高岳まで。ここでヘルメット、ハーネスを装着して出発です。
奥穂山頂準備風景
 あいにくのガスですが、馬の背の通過は高度感を感じずに怖くなくて良かったかも?しれません(笑)。
馬の背の通過
馬の背の通過2
 一番高度感があるところでガスでしたが、馬の背を通過すると晴れてきました。今日もいい天気です。槍ヶ岳も見えます。
槍ヶ岳遠望
 これから向かうジャンダルムも手の届くところに。
ジャンダルム
 ロバの耳を通過してジャンダルムはロープを着けて直登コース。これが当事務所の特徴。(ってほどでもないか(笑))。
ジャンダルム頂上からは奥穂がすぐそこでした。
奥穂高岳
 休憩ののち簡単な鎖場を降りてコブ尾根の頭に。
コブ尾根の頭へ
 ここから天狗のコルまで長い長い下降が始まります。
西穂高岳
途中、西穂高岳はすぐ下に見えるのですが、実際にはかなり時間がかかります。
 何とか天狗のコルに降りたって、すぐに垂直な鎖場を登り、急な岩場を歩いて行くと天狗の頭。そこからガイドブック等でもおなじみの逆層スラブの下りです。
逆層スラブ
 写真で見るとえげつないんですが行ってみると大したことはありません。慣れた方には…。
 そこから間ノ岳、赤石岳と縦走(岩稜)してようやく西穂高岳です。おそらく早い時間にはたくさんの人がいたのでしょうが今はだれもいません。周りもガスで見えません…。
 まだまだ先は長いので下っていくとまたまた晴れてきました。
前穂と明神
岳沢をはさんで対岸に前穂と明神が見えます。
 後ろを振り返ると西穂高岳がそびえています。
西穂
 独標を越えてようやく緊張感から解放されましたが、まだまだ西穂山荘は遠い!
丸山の手前でついに日が暮れてしまいました。でも、残照でまだまだ見えます。全員頑張って歩きとおした結果、ヘッドランプが必要なぎりぎりなところで西穂山荘にたどり着きました。本日の行動時間14.5時間。ちょっとフィックスロープ張りすぎたかな?まあ、安全を最大限考慮してのことだしよしとしましょう。
 西穂山荘で乾杯して早々に就寝。みなさんさすがにこの日はよく眠れたようです。お疲れ様。
 翌朝ガスの中、上高地に向かって出発。
サラシナショウマ
サラシナショウマがきれいです。
 緊張感からかあまり口を開かなかったお客さんもしゃべるしゃべる。ということで楽しく3時間歩いて無事上高地に下山しました。
ウエストン碑
おまけ…ウエストンレリーフ
パタゴニア

西穂独標

 前回の立山大日が終わった後そのまま帰宅せずに山旅人の西穂独標ツアーガイドをしてきました。
このツアーは北アルプスの通常のコースが厳しい方々にも北アルプスの雰囲気を楽しんでいただけるよう万全の態勢で企画したものです。独標直下の岩場では確保することも視野に入れて7名限定でのゆったりツアーでした。(実際のお客さんは6名でした。)
 ロープウェイで西穂高口より歩き始めます。
ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマアキノキリンソウ
ヤマブキショウマ
ヤマブキショウマ
ゆっくりゆったり花を愛でながら時間をかけて…。それでも2時間弱で西穂山荘に到着しました。
クロクモソウ
クロクモソウ
ミヤマトリカブト
ミヤマトリカブト
なんだか山は早くも秋の気配が感じられます。
個々西穂山荘に泊まり予定ですので荷物を置いて独標に向けて出発。
しばらく登って振り返ると西穂山荘が…。
西穂山荘
 それにしてもやはり土曜日とあって人人人の大行列です。ゆっくり出発してるんであまり影響はありませんけど…。
曇り空でしたが時々ガスが切れて大正池と上高地が見えます。
大正池
リンネソウ
リンネソウがまだ残っていました。
西穂独標
しばらくガンバって登るとガスの中に西穂独標が…。
明神岳
頂上からはあまり展望がききませんでしたがそれでも明神岳の5峰などが見えました。
 西穂山荘で一晩過ごし、翌日下山です。
笠ヶ岳
笠ヶ岳がきれいに見えます。
天候は前日のほうがよかったのですが展望はこの日のほうがよかったようです。
西穂高口からは西穂高岳の全容が見えました。
西穂高岳の稜線
右はじのとがったのが西穂独標。真ん中の台形がピラミッドピーク。左はじが西穂高岳です。
この後は東京で打合せ。その後しばらくキャンセルによるお休みです。盆休みなんて12年ぶりです(笑)。
パタゴニア

立山三山と大日三山

 8月4日より読売旅行九州のツアーガイドで立山三山と大日三山の縦走に行ってきました。
 立山駅でツアーグループと合流したときには天気が悪く雨模様も覚悟したのですが…。
アルペンルートを上がってみるとそこは晴天!
立山
夕方、落日ぎりぎりに本日の宿雷鳥荘に滑り込みました。
 温泉と食事を楽しんで翌朝も最高の天気!
大日
大日三山
浄土山
これから目指す浄土山
タテヤマリンドウ
タテヤマリンドウも我々の前途を祝ってくれます。
立山室堂
国の重要文化財、立山室堂で一息ついていよいよ浄土山の登りです。
 まだ慣れてない体には少しつらかったでしょうがそれでも皆さん頑張りました。
そして頂上からは…。
イワギキョウと雄山
イワギキョウの向こうに雄山が!
 ここから一の越にいったん下り、再び登ること1時間で雄山の山頂です。お客様は全員500円払ってお祓いを受けました。これで晴天も間違いなしでしょう(笑)。
 大汝山で昼休憩をとったのち富士の折立へ。
富士の折立
眼下には雷鳥平がきれいに見えています。
雷鳥平
チシマギキョウ
チシマギキョウ
 このあたりから少し雲がかかり始めたのですが、真砂岳の上からは目指す別山が見えました。
別山
 こうして本日の最終ピーク、立山三山のラスト1峰別山に到着です。
硯ヶ池と別山北峰
硯ヶ池と別山北峰
下りてくると早くもトウヤクリンドウが咲いていました。
トウヤクリンドウ
 こうして二日目も無事終わり、剣御前小舎で夜を過ごします。剱岳が見えなかったのが残念ですが、明日こそは見えることを信じて…。
 翌朝3日目も快晴とはいえないまでもまずまずの天気です。
チングルマ
チングルマ
イワイチョウ
イワイチョウ
雷鳥平2
雷鳥平にも太陽が当たってコントラストがきれいです。
鍬崎山
佐々成政の埋蔵金伝説の鍬崎山
毛勝三山
結構好きです毛勝三山
ハクサンフウロと
ハクサンフウロに甲虫が…。カミキリムシかな?虫は詳しくないです。すいません…。
オオバキスミレ
久しぶりに見たような…。オオバキスミレ
コバイケイソウ
今年は当たり年の模様。コバイケイソウ
薬師岳
3つのカールをもつ薬師岳
中大日と大日岳
奥大日岳への登り途中では大日三山の残り二つがきれいに見えます。
そしてついに…。
剱岳
剱岳が姿を現してくれました。
シモツケソウ
シモツケソウ
七福園
まるで庭園のような七福園
中大日と大日岳の鞍部に立つ大日小屋が見えてきました。
大日小屋
ここに荷物を置いて大日岳を往復してきます。
大日岳の山頂では…なんと…。
ライチョウ
オスのライチョウが砂浴びをしてました。
タテヤマチングルマ
通常に比べて花弁がピンクっぽいタテヤマチングルマ
大日小屋から大日平へかなりの急降下。
大日平
はるか下方の大日平の向こうに大日平小屋が見えます。遠い…。
でも、全員無事に到着しました。到着直後に夕立が…。助かった…。
翌朝曇り空の中を出発。
大日平2
木道の向こうには富山湾が。
大日平からはさらに急降下が登山口まで続きます。
牛の首付近
 しかし、全員大きなけがもなく無事に称名滝登山口へたどり着きました。
称名滝
今回本当に天気に恵まれ充実したツアーだったと思います。
次回読売の「羅臼・斜里・雌阿寒」は中止の模様…(泣)。不景気ですから仕方ないのでしょうか?
パタゴニア

ゆっくり奥穂高岳

 ああ、かなり久しぶりにブログを更新する気がします。すいませんでした。今後できるだけまじめにやります。
 やはり天候悪く、西穂から奥穂の縦走は果たせませんでした。これで昨年から数えて4連敗!何とかなりませんかね…。
 というわけでクラブツーリズムのツアーガイドで奥穂高岳に行ってきました。なんと、参加者3名!僕のツアーガイド史上最少の人数です。
 7月30日昼過ぎに上高地でお客様と合流。徳沢までののんびりハイキング。
タマガワホトトギス
タマガワホトトギス
センジュガンピ
センジュガンピ
 明神では少しだけ山が姿を現してくれました。
明神
 徳沢で快適な一夜を過ごした後は涸沢までのんびりと進んでいきます。
タテヤマウツボグサ
タテヤマウツボグサ
キツリフネ
キツリフネ
 屏風岩はさすがに登ってる人はいない…。天気悪いし…。
屏風岩
 いつものとおり本谷橋で一息コーヒータイム。
本谷橋
 そして涸沢に向け徐々に高度を上げて行きます。
クルマユリ
クルマユリ
モミジカラマツ
モミジカラマツ
オオヒョウタンボク
オオヒョウタンボク
 今年は涸沢より下部の雪が多いです。
涸沢下雪渓
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
ウラジロナナカマド
ウラジロナナカマド
ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ
 涸沢小屋に着くと夕方常念岳が美しく光ってました。
常念岳
 
 楽しい夜を過ごし、朝はやはり天候イマイチ…。でもガスが湧き上がる中に屏風の頭が幻想的です。
屏風の頭
 本日ようやく奥穂高岳を目指します。
まずはザイテングラートの取りつきまで。
ミソガワソウ
ミソガワソウ
エゾシオガマ
エゾシオガマ
ハクサンシャクナゲ
ハクサンシャクナゲ
アオノツガザクラ
アオノツガザクラ
コイワカガミ
コイワカガミ
ハクサンイチゲ
ハクサンイチゲ
タカネヤハズハハコ
タカネヤハズハハコ
チングルマ
チングルマ
シナノキンバイ
シナノキンバイ
ベニバナイチゴ
ベニバナイチゴ
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマ
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ
 ザイテングラートをぐんぐんとよじ登っていきます。
ザイテングラート
 ほどなくして稜線に立つ穂高岳山荘に到着。しばらく休憩した後、奥穂高岳山頂を目指し登ります。ガスで周りが見えない…。小屋のすぐ上の梯子では下山の20人以上のパーティーに無理やり止まらされて閉口しました…。山岳会のリーダーのくせに適切な判断もできないのね…。まあいいです。愚痴るのはやめましょう。
 小屋から山頂の間は写真がありません。目新しい花もないし、展望は利かないし…。
で山頂でパチリ。
奥穂高岳
 この日は穂高岳山荘に泊まりました。結構混んでました。もちろん僕は部屋で寝ないで廊下で寝てましたが(笑)。
 8月2日はゆっくりのんびり徳沢まで下山です。
ハクサンオミナエシ
ハクサンオミナエシ?
 徳沢で快適な一夜を再び過ごし、目が覚めると…。快晴でした。登って行く人が恨めしい…。
前穂と明神
徳沢より前穂と明神
明神二の池
明神池にて二の池
明神岳
同じく頭上の明神岳
六百山
梓河畔より六百山
焼岳
同じく焼岳
穂高連峰
上高地より
 こうして5日間にわたる長期のツアーは終了しました。天候にはあまり恵まれませんでしたが、参加者3名ということで無事登頂することができました。10名ぐらいいたら頂上は目指さなかったと思います。これからのツアーはこうありたいものです。クラツーさんは大赤字でしょうが…。
 今日からは九州の読売旅行さんで立山三山と大日三山を歩いてきます。
パタゴニア